カテゴリー別アーカイブ: 日記

相互鈑金のよもやま話 ~難易度~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

自動車の鈑金修理は、単なるへこみ直しに留まらず、構造・素材・精度すべてが求められる高度な専門技術です。とくに昨今では、車体の複雑化・軽量化・電子制御装備の増加により、修理の難易度はますます高まっています。


鈑金修理における「難易度を左右する要因」と、それに応じた対応技術について深く掘り下げていきます。







1. 損傷部位ごとに異なる難易度


◾ フロントフェンダー・ドアパネル(外板パネル)




  • 難易度:★★☆☆☆




  • 特徴:取り外し・交換が比較的容易




  • 注意点:クリアランス調整と塗装の色合わせが仕上がりを左右




◾ ルーフ・ピラー部(構造部材)




  • 難易度:★★★★☆




  • 特徴:ボディ剛性に直結する構造材




  • 注意点:**接合方法(スポット溶接、ボンド接着)**に応じた修復技術が必要




◾ フロントサイドメンバー・フレーム部




  • 難易度:★★★★★




  • 特徴:衝突安全性・走行性能に関わる車体骨格




  • 注意点:ミリ単位の精度が求められる。専用ジグや三次元計測器が必要








2. 車体素材が難易度に与える影響


◾ ハイテン鋼(高張力鋼板)




  • 特徴:衝突吸収性と軽量性を両立




  • 難易度:★★★〜★★★★




  • 注意点:加熱不可/引き出しにくい → 専用機材とノウハウが必要




◾ アルミニウム合金




  • 特徴:軽量化目的で高級車・EVに多用




  • 難易度:★★★★☆




  • 注意点





    • 専用工場での隔離作業が必要(鉄との腐食反応)




    • 引き出し不可、基本はパネル交換またはアルミ専用溶接






◾ CFRP(炭素繊維強化プラスチック)




  • 特徴:高級スポーツカーに使用




  • 難易度:★★★★★




  • 注意点





    • 再成形不可、原則交換




    • 修理には接着・張替えと検査技術が必須










3. 塗装の難易度:ただの“色塗り”ではない




  • 近年の車両にはパール・メタリック・マット塗装が増加




  • 微妙な色調調整が求められる「調色」は職人の腕の見せ所




  • 仕上げの磨き処理・塗膜の厚み管理が重要




  • 新車時の「オリジナル塗装」に近づけるには、光源・角度・下地条件を完全一致させる必要あり








4. 修理の難易度を高める車種と装備要素




  • 衝突軽減ブレーキやセンサー搭載車:修理後の再校正が必要




  • テスラ・BMW・レクサスなど高級車:素材・塗装・構造の特殊性




  • EV車(電気自動車):高電圧機器の取り扱いに注意




→ 難易度=「板金作業+電子制御再設定+法規制対応」が複合的に絡む







5. 鈑金修理の難易度を下げるための実務対策





























対策 内容
精密計測機の導入 ボディの歪みを正確に把握(例:三次元計測器)
材料ごとの施工マニュアル整備 鋼板/アルミ/CFRP別に施工手順書を用意
専用設備・治具の使用 溶接機、スポット溶接治具、フレーム修正機など
定期的な技術講習 最新車種の構造や溶接技術をアップデート







鈑金修理の難易度は、「部位 × 素材 × 技術 × 精度 ×設備」によって決まります。今や単なる「へこみ直し」ではなく、車両構造・安全性・先進技術に精通した専門知識が必要不可欠です。


 

 

 

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一般のお客様専門の和歌山県橋本市の車屋さん

自動車 事故修理 各社保険修理対応 キズ ヘコミ 鈑金(板金)塗装

相互鈑金(福井自動車内) 代表 有本順一

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相互鈑金のよもやま話 ~未来~

皆さんこんにちは!


相互鈑金、更新担当の中西です。

 

 

自動車鈑金の未来:EV時代とスマート修理の新常識


 

 


今回は、「これからの自動車鈑金工場はどう進化していくのか?」をテーマに、技術革新と業界の展望について詳しく見ていきます。


自動車業界では電気自動車(EV)や自動運転技術が台頭し、車体構造も大きく変わってきています。これに伴い、鈑金工場の役割・技術・体制も大きな変化を迫られているのです。







◆ EV車時代の鈑金業界が直面する変化


 

● 軽量化された車体構造




  • EV車はバッテリー搭載の影響で重量配分が異なり、アルミやカーボン素材の使用率が高い




  • 鉄とは異なる加工・修理技術が求められ、設備更新や技術習得が必要になります。




● 高電圧システムへの安全配慮




  • バッテリーや高電圧回路を持つ車の修理は、感電リスクや火災の危険を伴います。




  • 専用講習・資格の取得、安全マニュアルの整備が急務。








◆ AIとデジタル技術が変える修理の常識


 

● 自動見積・画像診断AIの登場




  • 損傷写真をアップロードするだけで、修理費・工数を自動計算するシステムが登場。




  • 熟練工の「目利き」に頼らない、標準化された見積もりが可能に。




● AR技術による修理支援




  • タブレットで車両をスキャンすると、分解手順や損傷ポイントがARで表示




  • 若手スタッフでも正確な修理ができる“未来型マニュアル”の導入が進んでいます。




● DX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化




  • 修理履歴・部品在庫・作業工程をクラウドで一元管理




  • 営業・整備・保険会社との連携がスムーズになり、顧客満足度も向上








◆ スマートファクトリー化と人材改革


 

● 作業の自動化・省力化




  • 自動スプレーガンや乾燥ブースのAI制御により、人の負担を軽減し、品質を均一化




  • 手作業の職人技と、ロボット技術の融合が進む現場も。




● 女性・若者が活躍できる現場へ




  • 電動工具の軽量化・防音化により、性別や体力に左右されにくい環境に。




  • SNSやYouTubeでの発信がきっかけで、**“魅せる鈑金”**に憧れる若手も増加中。








◆ 環境×技術×人材で創る“新しい鈑金業”


 


  • 水性塗料と再生素材で「環境に優しい修理




  • DXとAIで「効率的かつ高品質な修理




  • 人の個性と感性が光る「人間味ある修理




これらが融合することで、自動車鈑金業界はこれまでにない“次世代のものづくり産業”へと進化していくのです。







◆ まとめ:これからの鈑金業は、“直す”から“未来を支える”仕事へ


 

クルマ社会が変われば、修理のあり方も変わる。
鈑金業は「地味」な存在ではありません。再生・修復・安全を守る最前線として、社会に不可欠な存在なのです。


環境、テクノロジー、そして人。
この3つを味方につけて、次の時代の鈑金業界はますます可能性を広げていくことでしょう。




 

次回もお楽しみに!







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相互鈑金のよもやま話 ~環境~

皆さんこんにちは!


相互鈑金、更新担当の中西です。

 

 

自動車鈑金と環境問題:修理業界が向き合う“静かな責任”





今回は「自動車鈑金業界と環境問題」についてじっくりと掘り下げていきます。


クルマがある限り必要とされる「鈑金修理」。
ぶつけてしまったバンパーやドアのへこみ、塗装の剥がれなどを元通りに直すこの仕事は、目立たないけれど非常に重要な存在です。


しかしその一方で、鈑金塗装の現場では環境負荷を伴う作業や資材が多く、いま“地球に優しい修理業”としての在り方が見直され始めています。







◆ 自動車鈑金とは?その基本と工程


 

「鈑金」とは、車体の凹み・歪みを直す修理のこと。事故や接触で損傷した金属パネル部分(ドア、ボンネット、フェンダーなど)を、工具や機械で元の形に戻します。


主な工程は以下のとおり:





  1. 損傷箇所の確認・分解




  2. 鈑金(板金)作業:パネルの叩き出しや引き出し




  3. パテ整形:歪みを整える下地処理




  4. 塗装前処理(研磨・脱脂など)




  5. 塗装ブースでの再塗装




  6. 乾燥・組み立て・仕上げ




これらの作業には溶剤・塗料・電気工具・コンプレッサーなど、環境負荷の高い機材や材料が多数使われているのが現実です。







◆ 鈑金塗装がもたらす環境課題とは?


 

● 揮発性有機化合物(VOC)の排出




  • 自動車塗装で使用される溶剤系塗料からは、**VOC(揮発性有機化合物)**が空気中に放出されます。




  • これは光化学スモッグや地球温暖化の原因とされ、環境省でも厳しく規制されています。




● 廃棄物と資源ロス




  • 削り取られた塗膜やバンパーの破片、使い捨てのパテ・マスキング類などは産業廃棄物として処理されます。




  • 分別・適正処理を怠ると、環境汚染や不法投棄の原因に。




● エネルギー消費と騒音・臭気




  • 塗装ブースや乾燥炉は電力・燃料を大量に消費。




  • コンプレッサーや研磨機の騒音、溶剤系の臭気が近隣トラブルになるケースも。








◆ 現場で進む環境への配慮


 

環境への意識が高まる中、多くの鈑金工場では以下のような取り組みが行われています。



● 水性塗料への移行




  • VOC排出を大幅に抑えられる「水性塗料」が主流になりつつあります。




  • EUや日本の自動車メーカーも、水性塗料の指定を進めています。




● 省エネ型ブースやLED照明




  • 塗装ブースの高断熱化・自動温度管理により、エネルギー消費を最適化。




  • 作業場の照明も、LED化で電力消費を削減。




● 廃材の再資源化・削減




  • 廃パーツの金属リサイクル、プラスチック類の分別回収




  • マスキングテープや研磨紙などの使用量削減マニュアル導入




● 作業員の健康対策




  • 換気設備・防毒マスク・作業着の徹底支給




  • VOC・臭気による健康被害の予防と作業環境改善








◆ 地域と共に進める“クリーンな鈑金屋さん”


 


  • 地域住民への説明会や苦情窓口の設置




  • 騒音時間の制限、作業時間の調整




  • 子ども向け工場見学などで、業界への理解を深める活動も広がっています







自動車鈑金は、社会に必要不可欠な“修復の仕事”ですが、これからの時代は**「直しながら、守る」**という姿勢が問われていくでしょう。


次回は、そんな鈑金業界の未来。AI、EV車、スマートファクトリーといったキーワードをもとに、新たな可能性を探っていきます!





次回もお楽しみに!




 

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