相互鈑金のよもやま話 ~修理の種類と工程~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

さて今回は

修理の種類と工程

ということで、今回は、自動車整備業の中でも専門性の高い分野である「事故修理(鈑金・塗装・構造修復)」について、その種類と工程を深掘りしていきたいと思います♪

 

交通事故やちょっとした接触などで損傷した車体は、単に“元に戻す”のではなく、安全性・性能・見た目すべてを回復させるという非常に繊細で複雑な作業が求められます。







◆ 自動車事故による損傷の種類とは?


事故による損傷は、「どこに」「どれだけ」影響があるかによって、修理の方法も大きく変わります。代表的な損傷の種類は以下の通りです。



1. 軽度の外装損傷(小キズ・ヘコミ)




  • ドアやバンパーの擦りキズ




  • 小さな凹み(デント)




  • 塗装剥がれ、クリア剥がれ




対応:鈑金・パテ埋め・塗装で対応。パーツ交換は不要な場合が多い。







2. 中程度の損傷(パーツ交換・部分解体)




  • フェンダーの大きなヘコミ




  • ドアの開閉不良




  • ライト・ウィンカーの割れ




対応:損傷部品の交換または修理+調整。一部バラし(解体)を行うことも。







3. 重度の骨格損傷(フレーム・シャーシ)




  • フロント・リアからの衝突でフレームに歪み




  • エンジンルーム、足回り、ピラー(柱部)への影響




対応フレーム修正機での骨格修正、足回りの交換、精密な寸法測定が必要。高度な技術と機器が求められる。







4. 全損(修理不能または非経済的)




  • 修理費が車両の価値を上回る場合




  • 安全性が確保できないケース




対応:廃車・部品取り・買い替えサポートへ。保険会社との連携も重要。







◆ 事故修理の工程と流れ


自動車の事故修理は、単純に「壊れたところを直す」だけではなく、安全性・走行性能・外観の美しさを総合的に回復させるプロセスです。


以下に、一般的な修理の流れをご紹介します。







【1】損傷診断・見積もり作成




  • 車体を分解・観察し、表面下のダメージを確認




  • 損傷範囲、交換部品、塗装範囲などを明確化




  • 保険会社とのやりとりが必要な場合も




使用ツール:フレーム計測器、見積もりソフト(ミトメ等)







【2】鈑金作業(パネル修正・骨格修正)




  • フレーム修正機でのミリ単位のボディ矯正




  • ハンマー、プレス機による凹み修正




  • 必要に応じて溶接やパーツ交換




‍ ポイント:わずかなズレも走行性能や安全性に影響を及ぼすため、高い精度と経験が不可欠







【3】パテ成形・研磨(表面処理)




  • 凹みを埋めた箇所にパテ(充填剤)を塗布し、平滑に整える




  • サンドペーパーで研磨し、塗装前の下地を作る




‍ 美観だけでなく、塗装の密着性・耐久性にも影響







【4】塗装作業(下塗り・上塗り・クリア)




  • 塗装ブースでホコリや湿度を制御しながらスプレー塗装




  • 色合わせには熟練の感覚が必要(特にパール・メタリック)




  • クリアコート→乾燥→磨き上げ




塗装は、「色」「ツヤ」「質感」を再現する技術と芸術の領域







【5】組み付け・最終調整




  • 分解した部品の再組み立て




  • 各種センサーや電子機器のリセット・調整




  • ライト光軸、タイヤアライメント、ドアの開閉チェックなど




近年の車両はADAS(先進運転支援システム)搭載が多く、電子調整の重要性が増している







✅【6】最終検査・納車




  • 外観・動作・走行テストを含めた最終チェック




  • 保険手続きや書類の確認




  • お客様への説明と納車








◆ 修理工程に必要な主な資格とスキル





























資格・スキル名 内容
自動車整備士(2級・3級) 車両全般の整備・診断ができる国家資格
車体整備士 鈑金・塗装・フレーム修正の専門資格
塗装技能士 一級は高度な色合わせ・仕上げ技術を要する
整備士の電装・電子知識 現代車両のセンサー類に対応するため必須




️ 技術だけでなく「美しく、安全に、確実に」直す職人の誇りが詰まった仕事です。







◆ 事故修理業の今後と課題


◉ 電動化・自動運転車の登場




  • EV車や自動運転車は、バッテリー・センサー・ソフトウェアが密集しており、修理の難易度が急上昇。




  • 高電圧部品の扱いや専用設備・認証制度の整備が急務。




◉ 人材不足と技術継承




  • 鈑金塗装職人の高齢化が進行




  • 若手の育成や待遇改善、技能伝承の仕組み化が求められる。








◆ おわりに──「クルマを直す」ことは、「命を守る」こと


事故修理は、単に車の“見た目”を元に戻す作業ではありません。それは、クルマという命を預かる乗り物の「安全」「性能」「美しさ」を、確実に蘇らせるプロフェッショナルの仕事です。




お客様の安心を、形にする。
それが、自動車整備業の誇りです。



 

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自動車 事故修理 各社保険修理対応 キズ ヘコミ 鈑金(板金)塗装

相互鈑金(福井自動車内) 代表 有本順一

〒648-0072 和歌山県橋本市東家5-1-3

鈑金塗装受付専用 ℡ 090-2381-7012 鈑金塗装担当 有本(アリモト)まで

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無断でお客様の車の画像を掲載する事は、当社は一切いたしません。

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相互鈑金のよもやま話 ~修復がむずかしい?!~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

イベント盛り沢山なこの季節、いかがお過ごしでしょうか?

さて今回は

修復がむずかしい?!

ということで、今回は、修理が難しい自動車鈑金の特徴や要因、技術的な課題、そしてプロがどのように対処しているのか を深掘りして解説します♪

 

自動車の鈑金(板金)修理は、へこみや傷を直すだけでなく、車の安全性や美観を維持するために重要な技術です。しかし、中には通常の修理方法では対応が難しいケース もあります。







1. なぜ修理が難しい鈑金が存在するのか?


鈑金修理の難易度は、損傷の深さ・素材・構造・修理方法の制限 など、さまざまな要因によって変わります。



(1) へこみや損傷の深さ・範囲が広い


✅ 小さなへこみは比較的簡単に修理可能だが、深いへこみや広範囲の損傷 になると難易度が上がる
金属の伸びが大きい場合、完全に元の形状に戻すのが困難



(2) 車の素材が特殊


高張力鋼(ハイテン鋼)やアルミボディ は一般的な鉄板とは異なり、特殊な技術が必要
✅ カーボンファイバー(CFRP)などの軽量素材 は一般的な鈑金技術では修理が難しい



(3) フレームや構造の歪みがある


✅ 事故などで車体フレームが歪んだ場合、専用の修正機が必要
✅ フレーム修正はミリ単位の調整が必要で、作業が複雑になる



(4) 再塗装や仕上げが難しい


特殊な塗装(パール・メタリック・マットカラー) は色合わせが難しく、修理後に違和感が出やすい
クリアコートの厚みや塗装の艶を揃える のが難しい







2. 修理が難しい自動車鈑金の代表的なケース


ここでは、修理が特に難しい鈑金のケースを詳しく見ていきます。



(1) フレーム損傷(骨格の歪み)


特徴




  • 事故などで車のフレーム(シャーシ)が歪んだ状態

  • 走行性能や安全性に直接関わるため、高精度の修理が求められる


修理の難しさ




  • ミリ単位での調整が必要

  • フレーム修正機(ジグフレーム)を使うため、高額な修理費用が発生

  • 修理後も完全に元の強度を取り戻すのが難しい


修理方法




  • フレーム修正機を使用し、元の形状に戻す

  • 修復不可能な場合は、フレーム交換(ただしコストが非常に高い)






(2) 高張力鋼(ハイテン鋼)・超高張力鋼のボディ


特徴




  • 軽量かつ高強度な鋼材で、近年の車に多く使用されている

  • 衝突安全性を高めるために採用されるが、加工が難しい


修理の難しさ




  • 通常の鈑金技術では変形しにくい(力を加えても元に戻らない)

  • 溶接が難しく、特定の修理設備が必要


修理方法




  • スポット溶接専用のヒートガン を使用して修正

  • 修理が難しい場合はパネル交換 になることが多い






(3) アルミボディの修理


特徴




  • 軽量で耐腐食性に優れているが、鉄よりも加工が難しい

  • 一部のスポーツカー(例:アウディ、ジャガー、フェラーリ)に採用


修理の難しさ




  • 通常の鈑金方法では修復できない

  • 専用のアルミ溶接機が必要

  • 修理後に強度が低下するリスクがある


修理方法




  • アルミ専用の溶接技術を用いる

  • 損傷が大きい場合は、パネル交換が基本 となる






(4) カーボンファイバー(CFRP)ボディの修理


特徴




  • 軽量かつ高強度で、レーシングカーやスーパーカーに多用される

  • 一般的な金属とは異なり、「割れる」「層が剥離する」ようなダメージを受ける


修理の難しさ




  • 鈑金作業ができず、特殊な技術が必要

  • 専用の樹脂やカーボンシートを使用した補修が必要

  • 損傷が大きい場合はパネル交換しか選択肢がない


修理方法




  • CFRP専用の樹脂や接着剤を用いて修復

  • 正確なレイヤー構造を再現するのが難しく、高額な修理になる






(5) 特殊塗装車の鈑金修理


特徴




  • メタリック、パール、マットカラーなど、通常の塗装よりも複雑な技術を使用

  • 一部の高級車やスポーツカーに採用される


修理の難しさ




  • 塗装の色合わせが非常に難しい

  • 塗装の層の厚みや光の反射具合を調整する必要がある


修理方法




  • メーカー純正の塗料と調色技術を駆使して再現

  • ブレンド塗装やクリアコートの調整が必要






3. 修理が難しい鈑金をどう対処するか?


(1) 修理が難しい車はプロショップに依頼


✅ アルミやカーボン素材、特殊塗装の修理には、専用設備と高度な技術が必要
通常の鈑金工場では対応できないケースも多い ため、専門の修理工場を探す



(2) 修理か交換かの判断


✅ へこみが大きい場合、修理よりもパネル交換の方がコストが安い ことがある
事故車の場合、フレーム修正では完全な強度を回復できない場合もある ため、交換を検討



(3) 長期的な視点で修理を考える


✅ 一時的に修理しても、将来的に問題が再発することがある
✅ 修理費用と車の価値を考慮し、買い替えも選択肢に入れる







4. まとめ:修理が難しい鈑金は技術と設備が鍵


フレーム損傷、特殊素材、特殊塗装は特に修理が難しい
通常の鈑金技術では対応できないケースも多い
プロの技術と専用設備が必要なため、信頼できる工場に依頼が重要


愛車を長く維持するために、適切な修理方法を選びましょう! 🚗


 

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相互鈑金のよもやま話 ~鈑金の種類~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

イベント盛り沢山なこの季節、いかがお過ごしでしょうか?

さて今回は

鈑金の種類

ということで、今回は、鈑金の種類や特徴、それぞれのメリット・デメリット、どのようなケースでどの技術を選べばよいのか を詳しく解説します♪










自動車の鈑金(板金)は、事故や経年劣化によって損傷した車体を修復する技術です。小さなへこみから、大きく歪んだボディの修理まで、さまざまな方法が存在します。







1. 自動車鈑金とは?


鈑金(板金)とは、車の金属製ボディパネルの変形を修理し、元の形状に戻す作業 のことを指します。単にへこみを直すだけでなく、塗装や防錆処理などの仕上げ工程も含まれます。



鈑金修理の主な目的


✅ 事故や衝突によるへこみ・傷の修復
✅ 錆や腐食の補修
✅ 経年劣化によるボディの補強
✅ 美観の維持・向上







2. 自動車鈑金の種類と特徴


鈑金には、軽度なへこみの修復から、大規模な修理まで さまざまな方法があります。



(1) パテ鈑金小さなへこみや傷の修正


特徴




  • 小さなへこみや傷に適用される最も一般的な方法

  • パテ(補修材)を使用し、へこみを埋めて表面を滑らかにする

  • 磨き・塗装を施して仕上げる


メリット




  • 低コストで修理可能

  • 作業時間が短く、即日修理も可能


デメリット




  • パテが厚すぎると剥がれやすくなる

  • 仕上がりの精度は職人の技術に左右される


適用ケース
✔ 小さなドアのへこみや擦り傷
✔ ボディ表面の浅い凹凸







(2) 引き出し鈑金(プーリング)中程度のへこみ修復


特徴




  • 専用工具を使い、へこみを引き出して修復する技術

  • 金属部分を溶接せずに修理可能

  • 塗装の損傷を最小限に抑えられる


メリット




  • 大きなへこみでも元の形状に戻しやすい

  • 仕上がりがきれいで、再塗装の必要が少ない


デメリット




  • 深いへこみには不向き

  • 修理費用がやや高め


適用ケース
✔ バンパーやドアの大きめのへこみ
✔ 軽い事故でできたボディの歪み







(3) ハンダ鈑金(溶接鈑金)深いへこみやボディ補修


特徴




  • 溶接技術を使って、金属のへこみや歪みを修正

  • ハンダや金属パーツを追加して補強する方法

  • 旧車のレストアにも使用される


メリット




  • 金属の強度を維持したまま修理できる

  • 長期間の耐久性がある


デメリット




  • 作業が難しく、高度な技術が必要

  • 修理費用が高い


適用ケース
✔ 錆びたフレームやドアパネルの補修
✔ クラシックカーのレストア







(4) フレーム修正車体全体の歪みを直す


特徴




  • 事故で歪んだ車のフレームを元の形に戻す技術

  • 専用のフレーム修正機を使い、ミリ単位で調整

  • 安全性能を回復させる重要な作業


メリット




  • 事故車の走行性能を回復できる

  • 車両の構造をしっかりと補強できる


デメリット




  • 作業時間が長く、高額な修理になることが多い

  • 修理後の車両価値が下がる場合もある


適用ケース
✔ 事故で大破した車両の修理
✔ 車体が歪んでドアが閉まらなくなった場合







(5) デントリペア(PDR:ペイントレス・デント・リペア)塗装を傷つけずに修復


特徴




  • 専用の工具でへこみを裏側から押し出して修復

  • 塗装を傷つけることなく修理できる

  • 修理時間が短い


メリット




  • 低コストかつ短時間で修理可能

  • オリジナルの塗装を保持できる


デメリット




  • へこみの形状によっては修理が難しい

  • 深い傷やへこみには適用できない


適用ケース
✔ ドアパンチや小さなへこみの修復
✔ 新車や高級車の傷を最小限に抑えたい場合








3. まとめ:最適な鈑金方法で愛車を元通りに


小さなへこみはパテ鈑金やデントリペアで対応可能
中程度のへこみは引き出し鈑金が適している
大きな損傷はフレーム修正が必要
予算と修理期間を考慮して最適な方法を選ぶことが重要


愛車を長く大切に乗るために、適切な鈑金修理を選びましょう! 🚗





















 

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