相互鈑金のよもやま話 ~人の安全を守り、車の命を延ばすプロフェッショナル~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

~人の安全を守り、車の命を延ばすプロフェッショナル~

 

🔧はじめに|「整備」は“命を預かる仕事”

現代社会において、車は「生活の足」であり「仕事の相棒」であり、そして「家族の一員」ともいえる存在🚙💨
そんな車の安全と快適を支えるのが、自動車整備業です🔩✨

エンジンの調子、ブレーキの効き、タイヤの摩耗、電子制御の異常…。
そのすべてを点検・修理し、車を“安心して走らせる”のが整備士の仕事。

つまり、整備士は“人の命を預かる職業”なのです🙏


🛠️1|整備業の役割とは?

自動車整備業は、「車の健康診断」ともいえる重要な産業。
その仕事内容は多岐にわたります👇

  • ✅ 定期点検・車検整備

  • ✅ オイル交換やタイヤ交換などの日常整備

  • ✅ 故障診断と修理

  • ✅ 電子制御装置(ECU)・ハイブリッド車の整備

  • ✅ 新車・中古車の納車前点検

こうした作業は、すべて法律(道路運送車両法)に基づいて行われ、
整備士には「国家資格」が必要です📜

技術だけでなく、責任感と倫理観が求められるプロの世界なんです💪✨


⚙️2|最新技術に対応する“進化する整備士”

近年の自動車は、まるでコンピューターのように高性能化しています。
エンジン制御、ブレーキアシスト、衝突防止システム、EV(電気自動車)…。

そのため、整備士には電子・電気・データ解析の知識が不可欠に💡

👨‍🔧最新の整備現場では、

  • 診断機(スキャンツール)で故障コードを読み取り

  • AIシステムで予防整備を分析

  • 電気自動車のバッテリーを安全に扱う高電圧整備資格

といった最先端技術が使われています⚡🚗

まさに整備士は「メカニック」から「カーエンジニア」へ進化中なのです✨


🔩3|お客様との信頼関係を築く

整備業におけるもう一つの重要な使命――それは信頼を築くこと🤝

車の調子は、運転する人の“生活リズム”そのもの。
「この前より音が違う」「燃費が悪くなった」など、
小さな変化を見逃さずに相談できる整備士は、まさに“車の主治医”です。

🔧お客様の声に耳を傾け、
🔧現状をわかりやすく説明し、
🔧安心して任せてもらう。

その積み重ねこそが「リピート」「紹介」「信頼」を生みます🌸


🌿4|環境整備・リサイクルとの関わり

整備業は環境問題とも深く関係しています🌎♻️

廃油・廃バッテリー・金属くずなど、整備で出る副産物を適切に処理し、
再資源化することも大切な仕事です。

  • オイルは再精製して再利用🌾

  • タイヤ・バッテリーはリサイクルへ♻️

  • 部品交換より修理を優先して廃棄物を削減💡

これらはすべて、「サステナブル整備」の取り組み。
技術だけでなく“地球を守る意識”も整備士の新しい使命です🌏✨


🧭5|まとめ|車と人の未来を支える整備士たち

自動車整備業とは、
🌟 車の命を守る
🌟 人の安全を支える
🌟 環境を守る

――そんな“3つの守り手”の役割を担う仕事です🕊️

一台の車の整備の先には、家族の笑顔や地域の暮らしがある。
その思いを胸に、整備士たちは今日も工具を握り、エンジンに向き合っています🔧❤️

 

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相互鈑金のよもやま話 ~整備後のチェックは“仕上げ”ではなく“安全の最終工程”~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

~整備後のチェックは“仕上げ”ではなく“安全の最終工程”~

 

事故や接触で傷んだクルマは、板金・溶接・塗装・組付まで数多くの工程を経て戻ってきます。最後に待っているのが「整備後のチェック」。これは見栄え確認ではありません。安全性・機能性・耐久性を保証する、れっきとした“最終工程”です。ここが甘いと、どれだけ美しく直しても品質はゼロに近づきます。この記事では、実務でそのまま使える最終検査の型を、チェックリストとともに整理します。


1|整備後チェックの基本思想(3つの“元に戻す”)

  1. 形状を元に戻す:面、R、チリ(クリアランス)

  2. 機能を元に戻す:開閉・電装・走る曲がる止まる・防水防音

  3. 安全を元に戻す:強度・エアバッグ系・ADAS(先進運転支援)・足回りジオメトリ

この3つを**“数値と証跡”**で示せるかが品質の境目です。


2|最終検査の全体フロー(標準ルート)

  1. 静的外観 → 2) 機能作動 → 3) 診断機スキャン → 4) 光軸/ADAS/アライメント → 5) 防水/防音 → 6) ロードテスト → 7) 書類・証跡の束ね → 8) お客様への説明・引渡し

以下、要点を順に深掘りします。


3|静的外観チェック:見た目は「数値化」できる

  • 面出し:映り込みで“波”や“ヒズミ”を斜め光で確認。ライトボードやルーラー目視の二段確認

  • チリ・段差:左右対称&メーカー基準値内。ガーニッシュ、モール端の段差・浮きを手触りで。

  • 塗装品質:肌(オレンジピール)、艶、色相/明度/彩度、メタリックのフレーク方向性。ダスト・ピンホール・垂れの有無。

  • 下回り処理:シーラーの連続性、スポット溶接痕の防錆、補修ワックスの塗布漏れなし。

ポイント:塗膜は膜厚計でスポット計測(複数点)。“見た目OK”を数値で裏付けます。


4|機能作動チェック:可動部と電装を一気に

  • 開閉:ドア/ボンネット/バックドアの一次/二次ロック、イージークローザー/パワーテールの速度・停止位置。

  • ガラス・ミラー:オートUP/DOWNの挟み込み保護、ミラー格納復帰。

  • 灯火類:全点灯とウィンカー点滅速度、フォグ/コーナリングランプ連動。

  • ワイパー/ウォッシャ:払拭位置・噴射角、撥水面でのビビり。

  • 室内:メーター警告灯、シートセンサー、シートベルトリトラクタ作動。

  • 足回り触診:ブーツ破れ、配線・ブレーキホース擦れ/干渉の有無、締結部のマーキング確認。


5|診断機スキャン:Before/Afterを残す

  • DTC全消去→再始動→再スキャン再発コードの有無を確認。

  • 初期化/学習:ステアリング角センサー(SAS)、ウィンドウ、スロットル、アイドリング学習などを車種別に

  • ソフト更新が必要なECUが出たら顧客合意→実施まで記録。

証跡:**スキャンレポート(入庫前/納車前)**をセットで保管・お渡し。


6|光学系とADAS:作業後は“校正までが修理”

  • ヘッドライト光軸:リフトアップ履歴やバンパー脱着後は必須。

  • カメラ/レーダー校正:フロントカメラ、ミリ波、サイド/リアレーダー、透明エンブレム交換後も含む。

  • パーキングセンサー/360°カメラ:映像の歪み・境目、距離警告の整合。

ポイント:水平床・規定距離・照度など環境条件を満たし、校正完了レポートを保存。


7|アライメント&足回り:真っ直ぐ走る=安全の土台

  • 4輪アライメント:トー/キャンバー/キャスター、スラスト角。調整後はハンドルセンターを実走で確認。

  • トルク管理:足回り、バンパービーム、補強類、バッテリーターミナル等を規定トルクで締結→トルクマーク

  • タイヤ:空気圧/TPMSリセット、偏摩耗・釘の刺さり。


8|防水・防音:雨と風の試験は“その日”に

  • シャワーテスト:ドア・ガラス・テール・アンテナ基部など継ぎ目集中で散水。トランク内やカーペット下の浸水確認。

  • ウインドノイズ:60〜80km/h帯で風切り音、ミラー/三角窓周りのひゅう音を点検。

  • きしみ/ビビり:低速段差・斜め越え・コインパーキングスロープで共振音を確認。


9|ロードテスト:短くても“目的を持つ”

  • 直進性、ブレーキの片効き、加減速時の異音・振動

  • ACC/LKAなどADASの基本作動。雨天時はオフ指示含め挙動説明を用意。

  • 温度が上がった状態で再点検(電動ファン作動音、樹脂の干渉など“熱後”の不具合を拾う)。


10|EV/HEV特有:高電圧の安全と熱管理

  • サービスプラグ復帰・絶縁抵抗、冷却ラインのエア抜き、高電圧配線の逃げ/固定

  • バッテリー温度と周辺の遮熱材復元、パッキン交換の有無。

  • HV作業記録は担当者・時間・チェック項目まで残す。


11|書類と証跡:品質は“言える化”で完成する

  • Before/After写真(外装/骨格/下回り)、塗膜膜厚記録、スキャン2枚、アライメント結果、光軸/ADAS校正レポート、トルク管理表。

  • 交換部品の返却/廃棄の同意、保証書、注意点のしおり

  • これらを1ファイルに束ねて、社内はデジタル保管+お客様へ抜粋をお渡し。


12|お客様へのご説明:体験が品質を“完成”させる

  • 作業内容の要約(写真で3枚以内)/交換と修理の判断理由。

  • 塗装ケア:数日〜数週間は高圧洗浄・撥水剤・固いワックスを控える案内。

  • 初期点検7日または100kmで“増し締め・異音・水漏れ”の無料点検

  • 何かあれば即連絡のホットラインを明示(不安の早期解消=満足度)。


付録|最終チェック“持ち歩き”リスト

外観:面/チリ/段差/塗膜(肌・艶・色)/モール・エンブレム
機能:開閉/灯火/ワイパー/窓・ミラー/室内スイッチ
足回り:トルク/タイヤ・空気圧/アライメント・ハンドルセンター
電装:診断機Before/After/初期化・学習/警告灯ゼロ
ADAS:光軸/カメラ・レーダー校正/Pセンサー・カメラ表示
防水・防音:散水/風切り音/きしみ・ビビり
ロードテスト:直進/制動/加減速/温間再点検
EV/HEV:サービスプラグ/絶縁/冷却・遮熱
書類:写真/膜厚/校正・整列レポ/トルク表/保証書


まとめ

整備後チェックは、「直した」を「安心に変える」プロセスです。
見た目・機能・安全を数値と証跡でそろえ、お客様の体験で仕上げる――この一連を“標準化”できた工場が、紹介とリピートを自然に生みます。
今日から、チェックを工程として再設計し、品質を“言える化”していきましょう。

 

 

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鈑金塗装受付専用 ℡ 090-2381-7012 鈑金塗装担当 有本(アリモト)まで

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相互鈑金のよもやま話 ~変遷~

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~変遷~

素材・電動化・保険・デジタルが交差する現代史

事故で歪んだパネルを叩いて延ばす――“板金”の原風景は、いまも職人仕事の象徴です。けれど現代の現場に立つと、かつての延長線では説明しきれない変化がいくつも重なっています。素材工学、電動化、先進運転支援(ADAS)、保険スキーム、そしてデジタル。自動車鈑金業は、分業の狭間にある「最後の総合職」へと進化しつつあります。本稿では、その変遷を現場視点で整理し、これからの店づくりの指針を提案します。


1|素材の進化が“叩いて直す”を変えた

かつて主役だった軟鋼パネルは姿を変え、高張力鋼・超高張力鋼(AHSS/UHSS)、アルミ、マグネシウム、CFRPなどのマルチマテリアルボディが標準化しました。これにより――

  • 加熱矯正の禁止領域が増えた(焼戻しで強度低下)

  • スポット溶接→リベットボンド/接着など、接合技術が多様化

  • パネル一枚の凹みでも、交換前提になるケースが増加

“勘と経験”に“手順遵守”が追加され、メーカーの修理マニュアル・工具・治具の指定に沿うことが品質と安全の前提になりました。


2|電動化が持ち込んだ「高電圧」と「熱リスク」

ハイブリッド/EVは、鈑金・塗装の作法そのものを変えました。

  • 高電圧遮断・絶縁・バッテリー温度管理が必須(入庫時点の安全化)

  • 事故や加修時のバッテリー熱暴走リスクを踏まえた保管・作業区画の見直し

  • バッテリーやセンサー群の価格が高く、全損判定が出やすい構造

結果として、鈑金工場は**“機械×電気×安全”の複合知識**を内製化する必要に迫られています。


3|ADASの時代:修理は「キャリブレーション」まで

バンパー、グリル、ウィンドウ、エンブレム――そこにミリ波レーダーやカメラが潜みます。外板作業後は、静的/動的キャリブレーションが不可欠。

  • 塗装の厚み、エンブレム交換、ガラス交換でも作動点がズレる

  • キャリブレーションにはターゲット、水平床、照度、アライメントなどの環境条件が必要

  • 誤った校正は安全機能の性能低下につながるため、設備投資と手順化が避けられない

鈑金は“元の形に戻す”だけでなく、**“元の機能に戻す”**産業へと定義が拡張されました。


4|「保険×鈑金」の力学が変わった

保険会社のDRP(指定修理ネットワーク)写真見積・テレマティクス事故受付代車・保証パッケージなどが進みました。一方で部品価格・人件費・エネルギーコストは上昇。現場が直面するのは――

  • 適正工賃の確保品質担保の両立

  • 「分解後見積(テアダウン)」や強制力のある工程写真で根拠を可視化

  • 再生部品・リビルト・リユースの活用と安全基準の線引き

安く速くから、正しく安全にへ。文書化・写真化を軸にした“交渉”が新しい技能になっています。


5|デジタル化:見積から生産管理へ

現場のデジタル化は、見積アプリを超え、工場全体の“流れ”の見える化にシフト。

  • 画像見積×AIで初期工数を短縮し、分解後に増額根拠を提示

  • DMS/ERP受注→部品手配→工程→検収を一気通貫

  • 3Dスキャニング・非破壊検査で骨格精度を数値化

  • 顧客には修理進捗の可視化(写真・チャット・引渡し予約)

「勘所の属人化」を解いて、再現可能な品質と収益に繋げる道筋が整ってきました。


6|人材の変遷:板金工から“総合エンジニア”へ

若手不足が叫ばれる一方、求められるスキルは増えています。

  • 素材工学・電装・計測まで広がった基礎力

  • 女性・異業種人材の活躍(検査・見積・品質保証・生産管理)

  • 安全衛生の高度化(溶接ヒューム、塗料のVOC管理、局所排気・保護具)

研修は「先輩の背中」だけでなく、メーカー講習・オンライン学習・動画SOPのハイブリッドへ。**“うまい職人”から“標準を守れるチーム”**が競争力になります。


7|環境とエネルギー:ブースと塗料の再設計

環境対応はコストではなく、品質と収益の両立策へ。

  • 水性塗料・低VOC硬化剤の採用

  • ブースの**断熱・気流・熱源(ヒートポンプ/ガス/電気)**の最適化

  • パネル単位の補修塗装乾燥工程の短縮でエネルギー原単位を改善

  • 廃溶剤・マスキング材の分別と再資源化

「速く安く厚く」ではなく、**“必要十分を、より少ない資源で”**が新基準です。


8|サプライチェーンの揺れ:部品リードタイムと情報戦

世界的な物流の乱れや部品価格の変動により、先行発注・代替品提案・入庫タイミングの設計が日常業務に。顧客に対しては――

  • 部品入荷予定の共有段取り替え(骨格先行・外装後追い)

  • 代車の予約管理引渡し目安の二段階提示

  • 交換部品と修理可否のリスク・コスト比較を可視化

“待たせない”ではなく、**“待ち時間の見える化”**が満足度を押し上げます。


9|顧客体験のアップデート:モビリティ・サービス化

「車を直す」から「移動を止めない」へ。引取・納車、モバイル決済、進捗写真、レビュー対応、保証の透明化。事故後の不安を減らすコミュニケーション設計が、紹介・口コミにつながります。


10|これからの10年:縮小か、価値の再定義か

テレマティクスとADASで事故は減る一方、1件あたりの単価は上昇。市場は量から質へと転じます。

  • メーカー認定工場保険ネットワークへの参加→標準化・監査対応

  • データと証跡で“言える修理”を積み上げる

  • **循環経済(再生部品・素材回収)**との接続で新しい収益源を確立

「叩いて直す」手仕事の魂を残しつつ、工程・安全・機能・環境を束ねる総合力の産業へ。鈑金は、交通の安全と資源の循環を裏方で支える“社会インフラ”として再定義されていくはずです。

 

 

 

 

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相互鈑金のよもやま話 ~点検~

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~点検~

点検は故障予防・安全確保・燃費改善・資産価値維持のための投資です。現場でそのまま使える実務目線でまとめます。


点検の種類

  • 法定点検:12か月点検/24か月点検(車検と同時実施が一般的)

  • 日常点検:乗る前の目視+簡易チェック(ユーザー自身でも可)

  • シーズン点検:夏(冷却・エアコン)/冬(バッテリー・タイヤ・凍結対策)


標準フロー(工場)

  1. 受付・問診(症状・異音・使用環境・直近整備)

  2. 入庫前診断(警告灯・OBD-IIスキャン・試運転)

  3. リフトアップ点検(下回り・タイヤ・ブレーキ・漏れ)

  4. 電装・灯火・補機(充電電圧・バッテリー・ワイパー等)

  5. 見積・承認 → 整備 → 再点検 → 納車説明・記録簿


主要チェック項目(要点)

走行安全

  • タイヤ:溝深さ(目安4mm以下で要検討)・片減り・空気圧・製造年

  • ブレーキ:パッド残量(目安3〜4mmで交換検討)・ディスク摩耗・フルード水分

  • 足回り:ブーツ破れ・ガタ・ショック滲み

動力・冷却

  • エンジンオイル(量・汚れ・漏れ)/エアエレメント

  • 冷却系:LLC量・劣化・ホース硬化・サーモ作動

伝達

  • AT/CVTフルード(色・臭い・温度管理の上で交換判断)

  • クラッチ/MT:切れ・レリーズ音

電装・視界

  • バッテリー(電圧・CCA・端子腐食)/充電系(発電電圧)

  • 灯火類(光量・光軸)/ワイパーウォッシャー

排気・環境

  • 排気漏れ・触媒・O2センサー傾向

  • EV/HEV:高電圧絶縁抵抗・冷却・サービスプラグ手順


消耗品の目安(一般的な参考値)

  • エンジンオイル:6か月または5,000〜10,000km

  • オイルフィルタ:オイル交換1〜2回に1回

  • ブレーキフルード:2年

  • クーラント(LLC):2〜4年(規格に依存)

  • エアコンフィルタ:1年 or 1万km

  • バッテリー:3〜5年(使用環境で差大)

  • タイヤ:残溝・経年6年目安で要点検

※車種・走行条件・使用油種で変動。整備書・メーカー推奨優先。


10分クイック点検(その場でできる)

  • 外観(傷・飛び石・下回り滲み)

  • タイヤ(空気圧・溝・亀裂)

  • 各油脂量(エンジン・ブレーキ・ウォッシャー)

  • バッテリー端子・灯火・ホーン

  • ワイパービビり・ガラス油膜


OBD-II診断の活用

  • DTC(故障コード)読取 → フリーズフレーム確認 → ライブデータで再現性を検証

  • 消去は原因整備後に。未整備リセットは再発と見落としの元


よくある見落とし

  • スペアタイヤ/パンク修理キットの期限切れ

  • ドレンワッシャ再使用・トルク未管理

  • エンジンマウント・エアダクト亀裂の微振動原因

  • A/C吹出温度は外気温依存(温度計で数値確認)


ユーザーが月1でやると効くこと

  • 空気圧(説明書記載値)/ウォッシャー補充/灯火一斉確認

  • 警告灯の意味を把握(赤=停止検討、黄=早期点検)

  • 直近燃費の急低下=空気圧・センサー・ブレーキ引きずりを疑う


コストを下げるコツ

  • 予防整備(摩耗限界前の計画交換)

  • 同系統部品は同時交換(左右・前後)で工賃効率化

  • 記録簿・写真で経年変化を見える化し過剰整備を回避


点検は「定点観測+記録」が命。
チェックリスト化→数値で判断→記録共有の三点を回せば、トラブルは未然に防げます。迷ったら早めの診断、そして**基準(整備書・メーカー値)**に立ち返るのが最短の正解です。

 

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相互鈑金のよもやま話 ~塗装~

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~塗装~

鈑金・補修の現場では、どの塗料システムを選ぶかで仕上がり・耐久性・作業時間・コストが大きく変わります。ここでは、現場で使う主な塗装の“種類”を、層構成/樹脂タイプ/表現(色味・質感)/環境対応の4軸で整理します。


1|塗装の基本レイヤー(下から上へ)

  1. 防錆下地

    • エポキシプライマー(高防錆・密着)

    • エッチングプライマー(金属化成+薄膜、防錆補助)

  2. パテ・サフェーサー

    • ポリエステルパテ(成形) → ウレタンサフェーサー(肌調整・吸い込み防止)

  3. ベースコート(色)

    • ソリッド/メタリック/パール/キャンディなど

  4. クリヤー(保護・艶)

    • ウレタンクリヤー(艶・耐候・耐薬品)/マットクリヤー

旧車や内板などでは単層(シングルステージ):色と艶が1回で決まる上塗りも使用。


2|硬化方式で分ける:1液 vs 2液(2K)

  • 1液(1K):空気乾燥。手離れが良く小補修や下地に向く(例:1Kサフェ)。

  • 2液(2K):主剤+硬化剤(イソシアネート系)。耐候・耐薬品性が高く外板仕上げの主役(クリヤー、ウレタンベース等)。


3|樹脂タイプの代表

  • ウレタン(2K):外板の標準。艶・耐候◎、ポリッシュ耐性も高い。

  • アクリル:発色良好。1Kの下地や簡易補修で使い分け。

  • エポキシ:密着・防錆に最強クラス。薄膜で金属地への“錆止め”に。

  • ラッカー:乾燥速いが耐久性が低く、現場主役からは退役気味。

  • ポリエステル(パテ):成形専用。上にサフェを挟むのが基本。


4|仕上がり表現の種類

  • ソリッド:顔料のみ。色ムラに強く補修しやすい。

  • メタリック:アルミフレークの反射。吹き肌・ガン距離で粒感が変わる。

  • パール(マイカ):角度で発色が変化。**3コート(ベース→パール→クリヤ)**が主流。

  • キャンディ:透明有色層の多層。深い色味だが補修難度高

  • マットマットクリヤーで艶を調整(フルマット~セミ)。磨き不可なので下地精度が命。

  • テクスチャ:バンパー等の梨地再現。専用塗料 or クリヤ添加で質感付与。


5|“単層(1コート)”と“多層(2~3コート)”

  • シングルステージ:色+艶一体。商用車や内板、旧車再現に。

  • 2コート:ベース+クリヤ。現行車の9割以上がこれ。

  • 3コート:パールやキャンディなど特殊色で採用。色合わせ・ブレンド範囲が広がる。


6|溶剤型 vs 水性型(VOC対策)

  • 溶剤型ベース:乾燥が速く扱いやすい。

  • 水性ベース:VOC低減。送風・湿度管理が肝(エアムーバー必須)。

  • クリヤーは多くが溶剤2K(水性クリヤーは限定的)。現場の規制や設備で使い分け。


7|クリヤーの種類(艶・耐久を決める)

  • HS/UHSクリヤー:固形分が高く厚みと艶が出やすい。

  • 速乾/低温硬化タイプ:スポット・パネル補修に有利。

  • 耐擦り傷・疎水性クリヤー:高級仕上げ向け。

  • マットクリヤー:艶調整用(配合比で艶度設定)。


8|樹脂部品・下回りの専用塗装

  • PPバンパープライマー(密着促進)フレキシブル添加剤で割れを抑制。

  • ストーンチップ(チッピング):ロッカーパネル等の飛び石対策。

  • アンダーコート/ラバー系:下回り防錆・防音。

  • 耐熱塗料:マフラー・キャリパー(指定温度域に注意)。


9|スポット補修の選択肢

  • ブレンディング:隣パネルへ色と艶を“なじませる”技法。

  • 2Kエアロゾール:小傷用。硬化剤破封式で作業時間短縮(開封後の可使時間に注意)。


10|色合わせの実務

  • 配合システム(調色機)+分光測色で近似レシピへ。

  • 現車の日焼け・ロット差試し吹きカード→現車確認が鉄則。

  • メタ・パールはガン距離・空気圧・塗り重ねで見え方が変わるため、手順を紙に固定。


11|安全・設備の要点(超重要)

  • イソシアネート対策:有機ガス用防毒マスク or 送気マスク、手袋・保護衣。

  • 塗装ブース:温度・風量・フィルター管理でゴミ噛み・肌を防止。

  • 火気管理/静電気対策:溶剤管理・アース・金属容器。


12|「用途別」選び方クイックガイド

  • 外板広範囲・新車並み耐久:2Kベース+2Kクリヤ(HS/UHS)。

  • 小傷・時短・コスト抑制:1Kサフェ+2Kクリヤ/2K缶スプレー。

  • 純正特殊色(3コート):水性ベース+パール層+2Kクリヤ、ブレンディング前提。

  • バンパー樹脂:PPプライマー+フレキシブル添加+2Kクリヤ。

  • マット仕上げ:均一下地→マットクリヤ(艶度合わせを先に試験)。


自動車補修塗装は、「下地で密着と肌」「ベースで色」「クリヤで耐久・艶」を作る分業芸。
現場では、2Kウレタンの2コートを軸に、色・素材・環境(VOC・設備)に合わせて水性・マット・特殊色
を組み合わせるのが王道です。
作業標準を一枚にまとめ、**“同じ条件で同じ手”**を再現できる体制こそ、仕上がりを安定させる近道です。

 

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相互鈑金のよもやま話 ~経済的役割~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

自動車鈑金業とは、事故や老朽化などで損傷した車体を修復する専門分野です。表面的には「壊れた車を直す」仕事のように見えるかもしれませんが、その裏には、経済的に多面的な価値を生み出すインフラ産業としての役割があります。

自動車鈑金業がどのように経済と社会を支えているのか、製造業・サービス業・地域社会との関わりを含めて、深く掘り下げてご紹介します。


1. 車社会を支える「延命産業」としての存在意義

自動車は高価な耐久消費財であり、一度買えば長く使い続けるのが一般的です。その寿命を延ばすのが、まさに鈑金業の役割です。

● 鈑金業による延命の経済的効果

  • 車の買い替えを抑えることで家計の負担を軽減

  • 中古車の再販価値を高めることによる流通市場の活性化

  • 修理・再利用によって廃棄物削減とリサイクル率向上

これにより、モノを使い続ける文化=循環型経済の実践が促され、持続可能な社会の土台づくりにもつながっています。


2. 地域密着型産業としての雇用と経済効果

自動車鈑金業は、大手メーカーの工場ではなく、全国各地の中小企業や町工場によって支えられている業界です。そのため、地域経済への波及効果が非常に大きいといえます。

● 地元密着型の雇用創出

  • 熟練工・若手職人・検査員・受付など、多様な職種を生み出す

  • 地元出身者の就職先として、地元定着の受け皿

● 地場経済への波及効果

  • 板金業者は、塗料・工具・部品業者・リース業者などとの取引が多い

  • 地域内でお金が循環し、経済を活性化

鈑金業は「見える仕事」ではないかもしれませんが、地域のインフラとしての雇用の受け皿であり、地場経済に根ざした職業でもあります。


3. 保険・自動車流通業界との連携による経済貢献

自動車事故が発生した際、修理には保険が利用されることが一般的です。そのため、自動車鈑金業は損害保険業界と密接に連携している重要なサービス提供者でもあります。

● 損害保険業との関係性

  • 車両保険や対物保険による修理依頼の受託

  • 見積書作成・事故車の査定・修理プランの提供などの専門的な付加価値

● 中古車・リース業界への影響

  • 事故車を適切に修理・再生することで、中古市場での価値を保つ

  • 法人リース車の返却前整備など、BtoBニーズにも対応

これにより、鈑金業は車両価値を維持・再生する経済活動の一部として、自動車流通全体の品質と健全性を支える基盤となっています。


4. 技術革新がもたらす産業構造の変化

素材の変化(アルミ、ハイテン鋼、CFRPなど)や自動運転車の普及、電動化によって、鈑金業には高度な対応力と新たな技術開発が求められています。

● 技術対応への投資=産業競争力の強化

  • 新素材対応の溶接・接合技術への設備投資

  • 3D測定器やAI見積もりシステムの導入

これにより、中小企業が技術力で差別化し、産業全体の底上げが進んでいます。

● 技術の継承と教育

  • 高度化・多様化する鈑金業務を、専門職として体系的に学べる場が必要に

  • 技術継承と若手人材の育成が、技能労働市場の安定化にも寄与

このように、自動車鈑金業は“古い業種”ではなく、時代に適応しながら進化する専門産業です。


5. 環境負荷軽減とサステナビリティへの貢献

経済的視点だけでなく、環境面でも鈑金業は大きな貢献をしています。

● 修理による環境コストの抑制

  • 車両廃棄→新車生産よりも、修理→再利用の方がCO₂排出が少ない

  • 塗料や部品の選定においても低VOC製品やエコパーツの使用が進む

● “直して使う”という文化の維持

  • 修理を前提としたモノの使い方が、消費社会の健全性を支える

  • 持続可能な車社会の中核となる“修理文化”を牽引

このように、自動車鈑金業は経済の循環だけでなく、環境との調和を実現する重要な業種でもあるのです。


鈑金業は「見えない経済基盤」であり、未来に向けた成長産業

自動車鈑金業は、目立たずとも確実に暮らしと経済を支える不可欠な存在です。車の修理を通じて、人の命を守り、街の経済を回し、地球環境にも貢献しているそんな多面的な価値をもつ職業です。

今後、自動車がどれほど進化しても、「壊れたものを再生させる技術と心」は失われることはありません。鈑金業はまさに、経済と社会をつなぐ“静かな中核産業”なのです。

 

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相互鈑金(福井自動車内) 代表 有本順一

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相互鈑金のよもやま話 ~多様化~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

かつての自動車板金業といえば、主にスチール素材のボディに対する修復作業が中心でした。しかし近年では、自動車技術やユーザーニーズの進化により、鈑金(板金)の内容そのものが大きく多様化しています。素材・構造・修理方法・求められる品質など、あらゆる面で変化している現代の鈑金業。その多様性は、単なる“へこみ直し”の枠を超えた、高度で柔軟な対応力が問われるものづくりの最前線となっています。

自動車板金業における「鈑金の多様化」を技術・素材・顧客ニーズの視点から深く掘り下げていきます。


1. 素材の多様化:軽量化に伴う技術革新

自動車の燃費向上や電動化に伴い、車体にはより軽く、強度の高い素材が求められるようになりました。その結果、従来のスチール一辺倒だった構造に、アルミ・高張力鋼板・樹脂・カーボンなどが複雑に混在するようになっています。

● 代表的な新素材

  • アルミニウム合金:軽量でサビにくいが、加工が難しく専用の設備が必要。

  • 高張力鋼板(ハイテン):衝突安全性を高めるが、従来の叩き出しでは修復困難。

  • プラスチック・FRP:バンパーなどに多用され、溶接ではなく交換・接着技術が必要。

  • CFRP(炭素繊維強化樹脂):高級車やスポーツカーで増加中。熱処理や専用補修が前提。

これらの素材に対応するためには、素材ごとの特性理解と専門設備・資格が欠かせず、板金業者の技術力と設備投資の分岐点になっています。


2. 鈑金技術の多様化:精密性・スピード・美観の追求

自動車鈑金と一口に言っても、今ではその作業内容が非常に多様化しています。単なる修復作業だけでなく、精度・耐久性・審美性・コスト最適化といったさまざまな要素を同時に考慮する必要があります。

● 多様化する技術の一例

  • 非接触型計測による3Dスキャン補正

  • アルミ溶接・リベット締結など特殊工法の導入

  • プラスチック部品へのパテ整形や溶着修理

  • 事故車フレームのミリ単位での骨格修正

  • 塗装と一体化した「見えない鈑金」技術

今や鈑金作業は「叩いて直す」時代から、「構造を科学的に読み解いて最小限の損傷で最大の美しさを再現する」高度技術へと進化しています。


3. ニーズの多様化:ユーザー視点の修理プラン

ユーザーの要望も以前とは大きく変わってきています。「とにかく元通り」ではなく、コスト・スピード・見た目のバランスを求める声が高まっており、板金業者はその多様なニーズに柔軟に応える必要があります。

● 具体的なニーズ例

  • 「保険を使わずに、できるだけ安く修理したい」

  • 「一部交換ではなく、パテ成形で対応してほしい」

  • 「納期を最優先にしてほしい」

  • 「中古パーツを活用してエコ修理にしたい」

  • 「わざとキズを残して“味”にしたい(カスタム感覚)」

こうした背景から、近年ではオーダーメイド型の鈑金対応が増え、「鈑金相談力」も職人の重要なスキルとなっています。


4. 塗装との連携によるトータルデザイン化

鈑金と塗装は切っても切れない関係にあり、近年ではその連携によってより高次元の仕上がりを求められるようになっています。

  • パネル1枚だけでなく全体の色調とのバランスを意識した塗装

  • 高級車・輸入車の特殊塗料(マット塗装・パール・3コート)への対応

  • 鈑金跡がまったくわからないようにするクリアコート重ね塗り技術

このように鈑金作業は、「直す」ことから「魅せる」技術へとシフトしており、審美性と技術の融合が評価の基準となっています。


5. サステナビリティと鈑金の新たな役割

自動車業界全体がサステナビリティを掲げる中、鈑金業にも環境への貢献が求められています。

  • 部品交換ではなく修復重視による廃棄物削減

  • エコ塗料や低VOC塗料への移行

  • 再生部品の活用や中古パーツによる修理提案

  • カーボンニュートラル対応の作業工程改善

「直すことで車の寿命を延ばす」「新車を買い替えるよりも環境負荷が低い」といった価値が再評価され、鈑金業はサステナブルな技術業種としても注目されています。


自動車板金は“職人技”から“総合技術業”へ進化している

自動車鈑金業の現場では、素材の進化、技術の高度化、顧客ニーズの多様化という三重の変化に対応しながら、職人たちは日々技術を磨き、アップデートを続けています。

その多様化の先にあるのは、「壊れたものをただ直す」のではなく、“美しく、安全に、持続可能に再生する”という新たな価値の創出です。

鈑金の仕事とは、単なる修復作業ではなく、車というモノに宿るストーリーを、もう一度走り出せるように蘇らせる“再生の技術”なのです。

 

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相互鈑金のよもやま話 ~注意点~

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自動車の鈑金修理は、「ただへこみを直す」だけでは済まされない、極めて高精度かつ安全性の高い作業が求められる分野です。構造への影響、素材ごとの特性、そして仕上がりの品質管理など、あらゆる工程に注意が必要です。鈑金作業における重要な注意点を実務的・技術的な観点から解説します。


1. 構造体に関わる修理は“精度と強度”が最優先

◾ ピラー・フレーム・フロアなど骨格部位の修理では

  • 数mmのズレが走行性能やエアバッグ動作に影響

  • 鈑金前に三次元計測で歪みの数値化が必要

  • スポット溶接部はメーカー指定の補修方法を厳守

→ 「見た目が直っていても、安全が確保されていない」ことのないよう、構造強度の回復が絶対条件


2. 素材ごとの特性理解と処置方法が鍵

素材 特性 鈑金時の注意点
ハイテン鋼 剛性高いが変形しにくい 引き出し不可な場合は切開→交換が原則
アルミニウム 軽量・腐食しにくい 鉄粉との混入厳禁、専用設備が必要
樹脂パーツ 軽量・成形自在 熱による変形リスク。接着剤や溶着による補修が基本

→ 素材に合わせた修復方針と機材選定が必要


3. パネル交換時の注意点:位置合わせと安全性

  • ドアやフェンダーなどの外板部品でも、取り付け角度・すき間(クリアランス)調整が求められる

  • 「左右対称性」「雨水の排出」「エアロパーツとの干渉」など細かい配慮が仕上がりに直結

  • パネル溶接部は防錆処理(シーリング・塗装)を忘れず実施


4. 熱変形・過剰引き出しに注意

  • ハンマーやスタッド溶接機による叩き出しでは、板金の延伸により表面が波打つことがある

  • 熱を加えすぎると塗装下地や補強構造が損傷

  • 特にアルミや薄鋼板では「やり過ぎ」が取り返しのつかない結果に

最小限の力で最大限の効果を出すことが職人の技術


5. 鈑金後のパテ処理・塗装前下地に要注意

  • パテ厚すぎ→ひび割れ・沈み込みの原因

  • 下地研磨が不十分→塗膜の密着不良・ちぢみ

  • 水分や油分を残したまま塗装→ブリスター(膨れ)発生

→ 鈑金完了後の「下地処理」は見えないが最も重要な作業工程


6. 近年増える“隠れ損傷”と電子制御部品の取り扱い

  • センサー類(ミリ波・超音波)・カメラ類・レーダー装置が多数搭載

  • 小さな衝撃でも内部部品がズレ・断線・エラーを起こすケースあり

  • 作業前後で電子システムの診断とキャリブレーションが必要

→ 「鈑金後の試運転・チェック」までが修理の一部


鈑金作業は「見た目」だけでなく、「強度・機能・安全性」すべてを回復させる専門技術です。素材、構造、精度、処理すべてに注意を払うことが、信頼される修理工場の条件です。

 

 

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相互鈑金のよもやま話 ~難易度~

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自動車の鈑金修理は、単なるへこみ直しに留まらず、構造・素材・精度すべてが求められる高度な専門技術です。とくに昨今では、車体の複雑化・軽量化・電子制御装備の増加により、修理の難易度はますます高まっています。

鈑金修理における「難易度を左右する要因」と、それに応じた対応技術について深く掘り下げていきます。


1. 損傷部位ごとに異なる難易度

◾ フロントフェンダー・ドアパネル(外板パネル)

  • 難易度:★★☆☆☆

  • 特徴:取り外し・交換が比較的容易

  • 注意点:クリアランス調整と塗装の色合わせが仕上がりを左右

◾ ルーフ・ピラー部(構造部材)

  • 難易度:★★★★☆

  • 特徴:ボディ剛性に直結する構造材

  • 注意点:**接合方法(スポット溶接、ボンド接着)**に応じた修復技術が必要

◾ フロントサイドメンバー・フレーム部

  • 難易度:★★★★★

  • 特徴:衝突安全性・走行性能に関わる車体骨格

  • 注意点:ミリ単位の精度が求められる。専用ジグや三次元計測器が必要


2. 車体素材が難易度に与える影響

◾ ハイテン鋼(高張力鋼板)

  • 特徴:衝突吸収性と軽量性を両立

  • 難易度:★★★〜★★★★

  • 注意点:加熱不可/引き出しにくい → 専用機材とノウハウが必要

◾ アルミニウム合金

  • 特徴:軽量化目的で高級車・EVに多用

  • 難易度:★★★★☆

  • 注意点

    • 専用工場での隔離作業が必要(鉄との腐食反応)

    • 引き出し不可、基本はパネル交換またはアルミ専用溶接

◾ CFRP(炭素繊維強化プラスチック)

  • 特徴:高級スポーツカーに使用

  • 難易度:★★★★★

  • 注意点

    • 再成形不可、原則交換

    • 修理には接着・張替えと検査技術が必須


3. 塗装の難易度:ただの“色塗り”ではない

  • 近年の車両にはパール・メタリック・マット塗装が増加

  • 微妙な色調調整が求められる「調色」は職人の腕の見せ所

  • 仕上げの磨き処理・塗膜の厚み管理が重要

  • 新車時の「オリジナル塗装」に近づけるには、光源・角度・下地条件を完全一致させる必要あり


4. 修理の難易度を高める車種と装備要素

  • 衝突軽減ブレーキやセンサー搭載車:修理後の再校正が必要

  • テスラ・BMW・レクサスなど高級車:素材・塗装・構造の特殊性

  • EV車(電気自動車):高電圧機器の取り扱いに注意

→ 難易度=「板金作業+電子制御再設定+法規制対応」が複合的に絡む


5. 鈑金修理の難易度を下げるための実務対策

対策 内容
精密計測機の導入 ボディの歪みを正確に把握(例:三次元計測器)
材料ごとの施工マニュアル整備 鋼板/アルミ/CFRP別に施工手順書を用意
専用設備・治具の使用 溶接機、スポット溶接治具、フレーム修正機など
定期的な技術講習 最新車種の構造や溶接技術をアップデート

鈑金修理の難易度は、「部位 × 素材 × 技術 × 精度 ×設備」によって決まります。今や単なる「へこみ直し」ではなく、車両構造・安全性・先進技術に精通した専門知識が必要不可欠です。

 

 

 

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相互鈑金のよもやま話 ~未来~

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自動車鈑金の未来:EV時代とスマート修理の新常識

 

 


今回は、「これからの自動車鈑金工場はどう進化していくのか?」をテーマに、技術革新と業界の展望について詳しく見ていきます。

自動車業界では電気自動車(EV)や自動運転技術が台頭し、車体構造も大きく変わってきています。これに伴い、鈑金工場の役割・技術・体制も大きな変化を迫られているのです。


◆ EV車時代の鈑金業界が直面する変化

 

● 軽量化された車体構造

  • EV車はバッテリー搭載の影響で重量配分が異なり、アルミやカーボン素材の使用率が高い

  • 鉄とは異なる加工・修理技術が求められ、設備更新や技術習得が必要になります。

● 高電圧システムへの安全配慮

  • バッテリーや高電圧回路を持つ車の修理は、感電リスクや火災の危険を伴います。

  • 専用講習・資格の取得、安全マニュアルの整備が急務。


◆ AIとデジタル技術が変える修理の常識

 

● 自動見積・画像診断AIの登場

  • 損傷写真をアップロードするだけで、修理費・工数を自動計算するシステムが登場。

  • 熟練工の「目利き」に頼らない、標準化された見積もりが可能に。

● AR技術による修理支援

  • タブレットで車両をスキャンすると、分解手順や損傷ポイントがARで表示

  • 若手スタッフでも正確な修理ができる“未来型マニュアル”の導入が進んでいます。

● DX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化

  • 修理履歴・部品在庫・作業工程をクラウドで一元管理

  • 営業・整備・保険会社との連携がスムーズになり、顧客満足度も向上


◆ スマートファクトリー化と人材改革

 

● 作業の自動化・省力化

  • 自動スプレーガンや乾燥ブースのAI制御により、人の負担を軽減し、品質を均一化

  • 手作業の職人技と、ロボット技術の融合が進む現場も。

● 女性・若者が活躍できる現場へ

  • 電動工具の軽量化・防音化により、性別や体力に左右されにくい環境に。

  • SNSやYouTubeでの発信がきっかけで、**“魅せる鈑金”**に憧れる若手も増加中。


◆ 環境×技術×人材で創る“新しい鈑金業”

 

  • 水性塗料と再生素材で「環境に優しい修理

  • DXとAIで「効率的かつ高品質な修理

  • 人の個性と感性が光る「人間味ある修理

これらが融合することで、自動車鈑金業界はこれまでにない“次世代のものづくり産業”へと進化していくのです。


◆ まとめ:これからの鈑金業は、“直す”から“未来を支える”仕事へ

 

クルマ社会が変われば、修理のあり方も変わる。
鈑金業は「地味」な存在ではありません。再生・修復・安全を守る最前線として、社会に不可欠な存在なのです。

環境、テクノロジー、そして人。
この3つを味方につけて、次の時代の鈑金業界はますます可能性を広げていくことでしょう。

 

次回もお楽しみに!

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