月別アーカイブ: 2025年8月

相互鈑金のよもやま話 ~点検~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

~点検~

点検は故障予防・安全確保・燃費改善・資産価値維持のための投資です。現場でそのまま使える実務目線でまとめます。


点検の種類

  • 法定点検:12か月点検/24か月点検(車検と同時実施が一般的)

  • 日常点検:乗る前の目視+簡易チェック(ユーザー自身でも可)

  • シーズン点検:夏(冷却・エアコン)/冬(バッテリー・タイヤ・凍結対策)


標準フロー(工場)

  1. 受付・問診(症状・異音・使用環境・直近整備)

  2. 入庫前診断(警告灯・OBD-IIスキャン・試運転)

  3. リフトアップ点検(下回り・タイヤ・ブレーキ・漏れ)

  4. 電装・灯火・補機(充電電圧・バッテリー・ワイパー等)

  5. 見積・承認 → 整備 → 再点検 → 納車説明・記録簿


主要チェック項目(要点)

走行安全

  • タイヤ:溝深さ(目安4mm以下で要検討)・片減り・空気圧・製造年

  • ブレーキ:パッド残量(目安3〜4mmで交換検討)・ディスク摩耗・フルード水分

  • 足回り:ブーツ破れ・ガタ・ショック滲み

動力・冷却

  • エンジンオイル(量・汚れ・漏れ)/エアエレメント

  • 冷却系:LLC量・劣化・ホース硬化・サーモ作動

伝達

  • AT/CVTフルード(色・臭い・温度管理の上で交換判断)

  • クラッチ/MT:切れ・レリーズ音

電装・視界

  • バッテリー(電圧・CCA・端子腐食)/充電系(発電電圧)

  • 灯火類(光量・光軸)/ワイパーウォッシャー

排気・環境

  • 排気漏れ・触媒・O2センサー傾向

  • EV/HEV:高電圧絶縁抵抗・冷却・サービスプラグ手順


消耗品の目安(一般的な参考値)

  • エンジンオイル:6か月または5,000〜10,000km

  • オイルフィルタ:オイル交換1〜2回に1回

  • ブレーキフルード:2年

  • クーラント(LLC):2〜4年(規格に依存)

  • エアコンフィルタ:1年 or 1万km

  • バッテリー:3〜5年(使用環境で差大)

  • タイヤ:残溝・経年6年目安で要点検

※車種・走行条件・使用油種で変動。整備書・メーカー推奨優先。


10分クイック点検(その場でできる)

  • 外観(傷・飛び石・下回り滲み)

  • タイヤ(空気圧・溝・亀裂)

  • 各油脂量(エンジン・ブレーキ・ウォッシャー)

  • バッテリー端子・灯火・ホーン

  • ワイパービビり・ガラス油膜


OBD-II診断の活用

  • DTC(故障コード)読取 → フリーズフレーム確認 → ライブデータで再現性を検証

  • 消去は原因整備後に。未整備リセットは再発と見落としの元


よくある見落とし

  • スペアタイヤ/パンク修理キットの期限切れ

  • ドレンワッシャ再使用・トルク未管理

  • エンジンマウント・エアダクト亀裂の微振動原因

  • A/C吹出温度は外気温依存(温度計で数値確認)


ユーザーが月1でやると効くこと

  • 空気圧(説明書記載値)/ウォッシャー補充/灯火一斉確認

  • 警告灯の意味を把握(赤=停止検討、黄=早期点検)

  • 直近燃費の急低下=空気圧・センサー・ブレーキ引きずりを疑う


コストを下げるコツ

  • 予防整備(摩耗限界前の計画交換)

  • 同系統部品は同時交換(左右・前後)で工賃効率化

  • 記録簿・写真で経年変化を見える化し過剰整備を回避


点検は「定点観測+記録」が命。
チェックリスト化→数値で判断→記録共有の三点を回せば、トラブルは未然に防げます。迷ったら早めの診断、そして**基準(整備書・メーカー値)**に立ち返るのが最短の正解です。

 

相互鈑金では鈑金・塗装の業務を行っております!

お問い合わせはこちら


一般のお客様専門の和歌山県橋本市の車屋さん

自動車 事故修理 各社保険修理対応 キズ ヘコミ 鈑金(板金)塗装

相互鈑金(福井自動車内) 代表 有本順一

〒648-0072 和歌山県橋本市東家5-1-3

鈑金塗装受付専用 ℡ 090-2381-7012 鈑金塗装担当 有本(アリモト)まで

ホームページ → https://www.sougo-b.com/ (スマートフォン向け)

ブログ → https://www.sougo-b.com/blog

(旧ブログ) → https://ameblo.jp/arihoon

メール→ contact@sougo-b.com

※当ブログに掲載されている車の画像は、全て車の持ち主様に、ブログ掲載の了承を頂いております。

無断でお客様の車の画像を掲載する事は、当社は一切いたしません。

apple-touch-icon_2.png

相互鈑金のよもやま話 ~塗装~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

~塗装~

鈑金・補修の現場では、どの塗料システムを選ぶかで仕上がり・耐久性・作業時間・コストが大きく変わります。ここでは、現場で使う主な塗装の“種類”を、層構成/樹脂タイプ/表現(色味・質感)/環境対応の4軸で整理します。


1|塗装の基本レイヤー(下から上へ)

  1. 防錆下地

    • エポキシプライマー(高防錆・密着)

    • エッチングプライマー(金属化成+薄膜、防錆補助)

  2. パテ・サフェーサー

    • ポリエステルパテ(成形) → ウレタンサフェーサー(肌調整・吸い込み防止)

  3. ベースコート(色)

    • ソリッド/メタリック/パール/キャンディなど

  4. クリヤー(保護・艶)

    • ウレタンクリヤー(艶・耐候・耐薬品)/マットクリヤー

旧車や内板などでは単層(シングルステージ):色と艶が1回で決まる上塗りも使用。


2|硬化方式で分ける:1液 vs 2液(2K)

  • 1液(1K):空気乾燥。手離れが良く小補修や下地に向く(例:1Kサフェ)。

  • 2液(2K):主剤+硬化剤(イソシアネート系)。耐候・耐薬品性が高く外板仕上げの主役(クリヤー、ウレタンベース等)。


3|樹脂タイプの代表

  • ウレタン(2K):外板の標準。艶・耐候◎、ポリッシュ耐性も高い。

  • アクリル:発色良好。1Kの下地や簡易補修で使い分け。

  • エポキシ:密着・防錆に最強クラス。薄膜で金属地への“錆止め”に。

  • ラッカー:乾燥速いが耐久性が低く、現場主役からは退役気味。

  • ポリエステル(パテ):成形専用。上にサフェを挟むのが基本。


4|仕上がり表現の種類

  • ソリッド:顔料のみ。色ムラに強く補修しやすい。

  • メタリック:アルミフレークの反射。吹き肌・ガン距離で粒感が変わる。

  • パール(マイカ):角度で発色が変化。**3コート(ベース→パール→クリヤ)**が主流。

  • キャンディ:透明有色層の多層。深い色味だが補修難度高

  • マットマットクリヤーで艶を調整(フルマット~セミ)。磨き不可なので下地精度が命。

  • テクスチャ:バンパー等の梨地再現。専用塗料 or クリヤ添加で質感付与。


5|“単層(1コート)”と“多層(2~3コート)”

  • シングルステージ:色+艶一体。商用車や内板、旧車再現に。

  • 2コート:ベース+クリヤ。現行車の9割以上がこれ。

  • 3コート:パールやキャンディなど特殊色で採用。色合わせ・ブレンド範囲が広がる。


6|溶剤型 vs 水性型(VOC対策)

  • 溶剤型ベース:乾燥が速く扱いやすい。

  • 水性ベース:VOC低減。送風・湿度管理が肝(エアムーバー必須)。

  • クリヤーは多くが溶剤2K(水性クリヤーは限定的)。現場の規制や設備で使い分け。


7|クリヤーの種類(艶・耐久を決める)

  • HS/UHSクリヤー:固形分が高く厚みと艶が出やすい。

  • 速乾/低温硬化タイプ:スポット・パネル補修に有利。

  • 耐擦り傷・疎水性クリヤー:高級仕上げ向け。

  • マットクリヤー:艶調整用(配合比で艶度設定)。


8|樹脂部品・下回りの専用塗装

  • PPバンパープライマー(密着促進)フレキシブル添加剤で割れを抑制。

  • ストーンチップ(チッピング):ロッカーパネル等の飛び石対策。

  • アンダーコート/ラバー系:下回り防錆・防音。

  • 耐熱塗料:マフラー・キャリパー(指定温度域に注意)。


9|スポット補修の選択肢

  • ブレンディング:隣パネルへ色と艶を“なじませる”技法。

  • 2Kエアロゾール:小傷用。硬化剤破封式で作業時間短縮(開封後の可使時間に注意)。


10|色合わせの実務

  • 配合システム(調色機)+分光測色で近似レシピへ。

  • 現車の日焼け・ロット差試し吹きカード→現車確認が鉄則。

  • メタ・パールはガン距離・空気圧・塗り重ねで見え方が変わるため、手順を紙に固定。


11|安全・設備の要点(超重要)

  • イソシアネート対策:有機ガス用防毒マスク or 送気マスク、手袋・保護衣。

  • 塗装ブース:温度・風量・フィルター管理でゴミ噛み・肌を防止。

  • 火気管理/静電気対策:溶剤管理・アース・金属容器。


12|「用途別」選び方クイックガイド

  • 外板広範囲・新車並み耐久:2Kベース+2Kクリヤ(HS/UHS)。

  • 小傷・時短・コスト抑制:1Kサフェ+2Kクリヤ/2K缶スプレー。

  • 純正特殊色(3コート):水性ベース+パール層+2Kクリヤ、ブレンディング前提。

  • バンパー樹脂:PPプライマー+フレキシブル添加+2Kクリヤ。

  • マット仕上げ:均一下地→マットクリヤ(艶度合わせを先に試験)。


自動車補修塗装は、「下地で密着と肌」「ベースで色」「クリヤで耐久・艶」を作る分業芸。
現場では、2Kウレタンの2コートを軸に、色・素材・環境(VOC・設備)に合わせて水性・マット・特殊色
を組み合わせるのが王道です。
作業標準を一枚にまとめ、**“同じ条件で同じ手”**を再現できる体制こそ、仕上がりを安定させる近道です。

 

相互鈑金では鈑金・塗装の業務を行っております!

お問い合わせはこちら


一般のお客様専門の和歌山県橋本市の車屋さん

自動車 事故修理 各社保険修理対応 キズ ヘコミ 鈑金(板金)塗装

相互鈑金(福井自動車内) 代表 有本順一

〒648-0072 和歌山県橋本市東家5-1-3

鈑金塗装受付専用 ℡ 090-2381-7012 鈑金塗装担当 有本(アリモト)まで

ホームページ → https://www.sougo-b.com/ (スマートフォン向け)

ブログ → https://www.sougo-b.com/blog

(旧ブログ) → https://ameblo.jp/arihoon

メール→ contact@sougo-b.com

※当ブログに掲載されている車の画像は、全て車の持ち主様に、ブログ掲載の了承を頂いております。

無断でお客様の車の画像を掲載する事は、当社は一切いたしません。

apple-touch-icon_2.png