月別アーカイブ: 2025年7月

相互鈑金のよもやま話 ~経済的役割~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

自動車鈑金業とは、事故や老朽化などで損傷した車体を修復する専門分野です。表面的には「壊れた車を直す」仕事のように見えるかもしれませんが、その裏には、経済的に多面的な価値を生み出すインフラ産業としての役割があります。

自動車鈑金業がどのように経済と社会を支えているのか、製造業・サービス業・地域社会との関わりを含めて、深く掘り下げてご紹介します。


1. 車社会を支える「延命産業」としての存在意義

自動車は高価な耐久消費財であり、一度買えば長く使い続けるのが一般的です。その寿命を延ばすのが、まさに鈑金業の役割です。

● 鈑金業による延命の経済的効果

  • 車の買い替えを抑えることで家計の負担を軽減

  • 中古車の再販価値を高めることによる流通市場の活性化

  • 修理・再利用によって廃棄物削減とリサイクル率向上

これにより、モノを使い続ける文化=循環型経済の実践が促され、持続可能な社会の土台づくりにもつながっています。


2. 地域密着型産業としての雇用と経済効果

自動車鈑金業は、大手メーカーの工場ではなく、全国各地の中小企業や町工場によって支えられている業界です。そのため、地域経済への波及効果が非常に大きいといえます。

● 地元密着型の雇用創出

  • 熟練工・若手職人・検査員・受付など、多様な職種を生み出す

  • 地元出身者の就職先として、地元定着の受け皿

● 地場経済への波及効果

  • 板金業者は、塗料・工具・部品業者・リース業者などとの取引が多い

  • 地域内でお金が循環し、経済を活性化

鈑金業は「見える仕事」ではないかもしれませんが、地域のインフラとしての雇用の受け皿であり、地場経済に根ざした職業でもあります。


3. 保険・自動車流通業界との連携による経済貢献

自動車事故が発生した際、修理には保険が利用されることが一般的です。そのため、自動車鈑金業は損害保険業界と密接に連携している重要なサービス提供者でもあります。

● 損害保険業との関係性

  • 車両保険や対物保険による修理依頼の受託

  • 見積書作成・事故車の査定・修理プランの提供などの専門的な付加価値

● 中古車・リース業界への影響

  • 事故車を適切に修理・再生することで、中古市場での価値を保つ

  • 法人リース車の返却前整備など、BtoBニーズにも対応

これにより、鈑金業は車両価値を維持・再生する経済活動の一部として、自動車流通全体の品質と健全性を支える基盤となっています。


4. 技術革新がもたらす産業構造の変化

素材の変化(アルミ、ハイテン鋼、CFRPなど)や自動運転車の普及、電動化によって、鈑金業には高度な対応力と新たな技術開発が求められています。

● 技術対応への投資=産業競争力の強化

  • 新素材対応の溶接・接合技術への設備投資

  • 3D測定器やAI見積もりシステムの導入

これにより、中小企業が技術力で差別化し、産業全体の底上げが進んでいます。

● 技術の継承と教育

  • 高度化・多様化する鈑金業務を、専門職として体系的に学べる場が必要に

  • 技術継承と若手人材の育成が、技能労働市場の安定化にも寄与

このように、自動車鈑金業は“古い業種”ではなく、時代に適応しながら進化する専門産業です。


5. 環境負荷軽減とサステナビリティへの貢献

経済的視点だけでなく、環境面でも鈑金業は大きな貢献をしています。

● 修理による環境コストの抑制

  • 車両廃棄→新車生産よりも、修理→再利用の方がCO₂排出が少ない

  • 塗料や部品の選定においても低VOC製品やエコパーツの使用が進む

● “直して使う”という文化の維持

  • 修理を前提としたモノの使い方が、消費社会の健全性を支える

  • 持続可能な車社会の中核となる“修理文化”を牽引

このように、自動車鈑金業は経済の循環だけでなく、環境との調和を実現する重要な業種でもあるのです。


鈑金業は「見えない経済基盤」であり、未来に向けた成長産業

自動車鈑金業は、目立たずとも確実に暮らしと経済を支える不可欠な存在です。車の修理を通じて、人の命を守り、街の経済を回し、地球環境にも貢献しているそんな多面的な価値をもつ職業です。

今後、自動車がどれほど進化しても、「壊れたものを再生させる技術と心」は失われることはありません。鈑金業はまさに、経済と社会をつなぐ“静かな中核産業”なのです。

 

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相互鈑金のよもやま話 ~多様化~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

かつての自動車板金業といえば、主にスチール素材のボディに対する修復作業が中心でした。しかし近年では、自動車技術やユーザーニーズの進化により、鈑金(板金)の内容そのものが大きく多様化しています。素材・構造・修理方法・求められる品質など、あらゆる面で変化している現代の鈑金業。その多様性は、単なる“へこみ直し”の枠を超えた、高度で柔軟な対応力が問われるものづくりの最前線となっています。

自動車板金業における「鈑金の多様化」を技術・素材・顧客ニーズの視点から深く掘り下げていきます。


1. 素材の多様化:軽量化に伴う技術革新

自動車の燃費向上や電動化に伴い、車体にはより軽く、強度の高い素材が求められるようになりました。その結果、従来のスチール一辺倒だった構造に、アルミ・高張力鋼板・樹脂・カーボンなどが複雑に混在するようになっています。

● 代表的な新素材

  • アルミニウム合金:軽量でサビにくいが、加工が難しく専用の設備が必要。

  • 高張力鋼板(ハイテン):衝突安全性を高めるが、従来の叩き出しでは修復困難。

  • プラスチック・FRP:バンパーなどに多用され、溶接ではなく交換・接着技術が必要。

  • CFRP(炭素繊維強化樹脂):高級車やスポーツカーで増加中。熱処理や専用補修が前提。

これらの素材に対応するためには、素材ごとの特性理解と専門設備・資格が欠かせず、板金業者の技術力と設備投資の分岐点になっています。


2. 鈑金技術の多様化:精密性・スピード・美観の追求

自動車鈑金と一口に言っても、今ではその作業内容が非常に多様化しています。単なる修復作業だけでなく、精度・耐久性・審美性・コスト最適化といったさまざまな要素を同時に考慮する必要があります。

● 多様化する技術の一例

  • 非接触型計測による3Dスキャン補正

  • アルミ溶接・リベット締結など特殊工法の導入

  • プラスチック部品へのパテ整形や溶着修理

  • 事故車フレームのミリ単位での骨格修正

  • 塗装と一体化した「見えない鈑金」技術

今や鈑金作業は「叩いて直す」時代から、「構造を科学的に読み解いて最小限の損傷で最大の美しさを再現する」高度技術へと進化しています。


3. ニーズの多様化:ユーザー視点の修理プラン

ユーザーの要望も以前とは大きく変わってきています。「とにかく元通り」ではなく、コスト・スピード・見た目のバランスを求める声が高まっており、板金業者はその多様なニーズに柔軟に応える必要があります。

● 具体的なニーズ例

  • 「保険を使わずに、できるだけ安く修理したい」

  • 「一部交換ではなく、パテ成形で対応してほしい」

  • 「納期を最優先にしてほしい」

  • 「中古パーツを活用してエコ修理にしたい」

  • 「わざとキズを残して“味”にしたい(カスタム感覚)」

こうした背景から、近年ではオーダーメイド型の鈑金対応が増え、「鈑金相談力」も職人の重要なスキルとなっています。


4. 塗装との連携によるトータルデザイン化

鈑金と塗装は切っても切れない関係にあり、近年ではその連携によってより高次元の仕上がりを求められるようになっています。

  • パネル1枚だけでなく全体の色調とのバランスを意識した塗装

  • 高級車・輸入車の特殊塗料(マット塗装・パール・3コート)への対応

  • 鈑金跡がまったくわからないようにするクリアコート重ね塗り技術

このように鈑金作業は、「直す」ことから「魅せる」技術へとシフトしており、審美性と技術の融合が評価の基準となっています。


5. サステナビリティと鈑金の新たな役割

自動車業界全体がサステナビリティを掲げる中、鈑金業にも環境への貢献が求められています。

  • 部品交換ではなく修復重視による廃棄物削減

  • エコ塗料や低VOC塗料への移行

  • 再生部品の活用や中古パーツによる修理提案

  • カーボンニュートラル対応の作業工程改善

「直すことで車の寿命を延ばす」「新車を買い替えるよりも環境負荷が低い」といった価値が再評価され、鈑金業はサステナブルな技術業種としても注目されています。


自動車板金は“職人技”から“総合技術業”へ進化している

自動車鈑金業の現場では、素材の進化、技術の高度化、顧客ニーズの多様化という三重の変化に対応しながら、職人たちは日々技術を磨き、アップデートを続けています。

その多様化の先にあるのは、「壊れたものをただ直す」のではなく、“美しく、安全に、持続可能に再生する”という新たな価値の創出です。

鈑金の仕事とは、単なる修復作業ではなく、車というモノに宿るストーリーを、もう一度走り出せるように蘇らせる“再生の技術”なのです。

 

相互鈑金では鈑金・塗装の業務を行っております!

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