日別アーカイブ: 2025年5月16日

相互鈑金のよもやま話 ~環境~

皆さんこんにちは!

相互鈑金、更新担当の中西です。

 

 

自動車鈑金と環境問題:修理業界が向き合う“静かな責任”


今回は「自動車鈑金業界と環境問題」についてじっくりと掘り下げていきます。

クルマがある限り必要とされる「鈑金修理」。
ぶつけてしまったバンパーやドアのへこみ、塗装の剥がれなどを元通りに直すこの仕事は、目立たないけれど非常に重要な存在です。

しかしその一方で、鈑金塗装の現場では環境負荷を伴う作業や資材が多く、いま“地球に優しい修理業”としての在り方が見直され始めています。


◆ 自動車鈑金とは?その基本と工程

 

「鈑金」とは、車体の凹み・歪みを直す修理のこと。事故や接触で損傷した金属パネル部分(ドア、ボンネット、フェンダーなど)を、工具や機械で元の形に戻します。

主な工程は以下のとおり:

  1. 損傷箇所の確認・分解

  2. 鈑金(板金)作業:パネルの叩き出しや引き出し

  3. パテ整形:歪みを整える下地処理

  4. 塗装前処理(研磨・脱脂など)

  5. 塗装ブースでの再塗装

  6. 乾燥・組み立て・仕上げ

これらの作業には溶剤・塗料・電気工具・コンプレッサーなど、環境負荷の高い機材や材料が多数使われているのが現実です。


◆ 鈑金塗装がもたらす環境課題とは?

 

● 揮発性有機化合物(VOC)の排出

  • 自動車塗装で使用される溶剤系塗料からは、**VOC(揮発性有機化合物)**が空気中に放出されます。

  • これは光化学スモッグや地球温暖化の原因とされ、環境省でも厳しく規制されています。

● 廃棄物と資源ロス

  • 削り取られた塗膜やバンパーの破片、使い捨てのパテ・マスキング類などは産業廃棄物として処理されます。

  • 分別・適正処理を怠ると、環境汚染や不法投棄の原因に。

● エネルギー消費と騒音・臭気

  • 塗装ブースや乾燥炉は電力・燃料を大量に消費。

  • コンプレッサーや研磨機の騒音、溶剤系の臭気が近隣トラブルになるケースも。


◆ 現場で進む環境への配慮

 

環境への意識が高まる中、多くの鈑金工場では以下のような取り組みが行われています。

● 水性塗料への移行

  • VOC排出を大幅に抑えられる「水性塗料」が主流になりつつあります。

  • EUや日本の自動車メーカーも、水性塗料の指定を進めています。

● 省エネ型ブースやLED照明

  • 塗装ブースの高断熱化・自動温度管理により、エネルギー消費を最適化。

  • 作業場の照明も、LED化で電力消費を削減。

● 廃材の再資源化・削減

  • 廃パーツの金属リサイクル、プラスチック類の分別回収

  • マスキングテープや研磨紙などの使用量削減マニュアル導入

● 作業員の健康対策

  • 換気設備・防毒マスク・作業着の徹底支給

  • VOC・臭気による健康被害の予防と作業環境改善


◆ 地域と共に進める“クリーンな鈑金屋さん”

 

  • 地域住民への説明会や苦情窓口の設置

  • 騒音時間の制限、作業時間の調整

  • 子ども向け工場見学などで、業界への理解を深める活動も広がっています


自動車鈑金は、社会に必要不可欠な“修復の仕事”ですが、これからの時代は**「直しながら、守る」**という姿勢が問われていくでしょう。

次回は、そんな鈑金業界の未来。AI、EV車、スマートファクトリーといったキーワードをもとに、新たな可能性を探っていきます!

次回もお楽しみに!

 

相互鈑金では鈑金・塗装の業務を行っております!

 

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